Apfelsaftschorle に見る人生学?
ドイツと言えばビール。
ですが、レストランやカフェに行くと必ずある人気の飲み物は、Apfelsaftschorle 。
この寒い季節にも、老若男女に好まれる飲み物です。
Apfelsaftschorle。
発音は、アプフェルザフトショーレ、といった感じ。
Apfel = りんご
Saft = ジュース
Schorle = スプリッツァー
そう、Apfelsaftschorle とは、りんごジュースのソーダ割り。
りんごジュースに炭酸水を混ぜればできちゃいます。
万人に人気のようで、零度以下のこの寒い冬にも、多くの人々が注文しています。
Apfelsaftschorle に見る人生学
友人たちと何度かカフェやレストランに行く経験をしたあと、気づいたことがありました。
友人たちは、メニューを見なくても自分の注文したいドリンクを決めてしまうのです。
お店に入って席に着くと、しばらくしてお店の人が飲み物を聞きに来てくれます。
友人が「Apfelsaftschorle 」と注文したあとに焦ってメニューをめくって決めることがよくあります。
そしてほぼ毎回、友人がお店の人に、もう少し待ってください、と言ってくれる始末。
そこからじっくりメニューを読んで、注文が決まるのはいつもわたしが最後。
わたしは何かと決断が遅いので、ただ単にそれが原因だと思っていました。
しかし先日、ある田舎まちのステーキレストランで食事をしたときのこと。
テーブルにメニューカードがない状態で友人たちが飲み物を注文し始めたのです。
?!?!?!?!?!
待て待て、メニューを見ずにどうやって飲みたいものを決める?!
意味が分からん!!
わたしは、その場で友人に質問しました。
すると、
「自分が飲みたいものはもう決まっているし、大体どのレストランでも同じものが置いてある。無いと言われたら違うものを頼めばいい。」
とのこと。
はぁ~…わたしの質問は続きます。
わたし「もし、お店に新しいドリンクや珍しいものがあったらどうするの?ココナッツとか。」
友人「ココナッツ?!それはあり得ないな。」(断言…)
わたし「…もしApfelsaftschorle じゃなくて、オレンジと桃のジュースがあったら?わたしならそっちを選びたい!」
友人「オレンジと桃?うーん、、あんまりない組み合わせだね、、特別なところならあるかもしれないけど。」
ほぉ~…どこでも同じようなメニューだと面白くないな…
友人いわく、ドイツの人びと、特に田舎の人は、新しい味に挑戦するよりも、美味しいとわかっているものを好むのだそう。
ドイツの人は食に対して保守的、という噂(?)は、あながち間違いでもないのだろうか。
しかしそのときわたしは気づきました。
もしかして、ドイツの人(メニューを見ずに注文を決められる人)の方が、自分の欲しいものを把握できていて、自分のからだの声を聴くことができているのかも?
わたしのようにメニューを見て決める場合、選択肢のある中から決めることになります。
寒いからホットチョコレートが飲みたいと思っていてお店に入っても、メニューの中にミックスベリージュースがあればそっちを選んでしまうかもしれない。
選択肢を与えられて決めるのではなく、白紙の状態で決断をすること。
何を選ぶことができるかではなく、自分が何を求めているか。
自分は何がしたいのか、という問いかけは、今まで何度もぶち当たってきたようで、実は意外とあまり持つことができていなかったような気がします。
選択問題ではなく自由記述をたくさん経験して、創造力と自分とのコミュニケーション能力を高めていきたい。
と、Apfelsaftschorle に人生を学んだのでした。
でもやっぱり食べものに関して言うと、珍しい味や新しい味に出会いたい…
自由記述は他の場面で鍛えよう。
レストランではこれからもメニューをじっくり読んで選ぶことになりそうです(笑)